2014.09.15 50年前に製作された椅子 張替修理

「とても古い安楽椅子なのですが、主人が愛用した椅子を使いやすいように直して欲しい」と修理の依頼をいただきました。現物を拝見し御見積をするために持ち主のお宅に訪問いたしました。それは非常に重厚でモダンなデザインが施された立派なものでしたが、見た目の3倍はあろうかと思う程非常に重い椅子だった事が印象的でした。(何が入っているのだろう?)少なくとも50年以上以前に造られた椅子と直感します。椅子の原形は残しているものの内部のバネや詰物は崩れ、奥様とおぼしきお婆様が座布団を何枚も重ね不安定な状態で使っておられました。ご要望を伺い、工房に持ち帰り修理の計画を立てます。現状ではアームが高く、座高が低く掛け込みが深すぎ、内部の劣化から面が崩れ骨格のガタツキもひどい状態でした。

商業施設向け特注家具

そこで、奥様の体格に合わせた座り寸法の適正化と今後の耐久性を考え、骨格の改造を含めた大修理の計画を立て分解を始めました。分解を始めて最初に驚いた事は、この椅子の骨格は当時の欧米の椅子を模し大工が造ったのではないかという事でした。椅子屋としては考えにくい太い材木で頑丈に仕組まれた骨格は重い訳です。骨格を補強し、さらに着座寸法を修正するための骨格を加え、現代素材、工法で仕上げ、外観はとどめたものの疲れにくく掛けやすい椅子に改良修理が仕上げられたもの思います。

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木製アームチェアも同年代に造られたであろう美しい形の椅子でした。こちらは木部のガタツキ修理、塗装の修理(洗い、キズ補修、下塗り、上塗り)、バネ床修理、詰物交換、生地の張替えを施し仕上げました。
また数十年後に修理を手がける職人に感心をしてもらえたらと思います。壮大な歴史を刻んできたことを思わせる家具を修理できたのは、私たちにとってとても楽しいものでした。

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